パンクラチオンは、古代オリンピックにおいて正式競技として行われていた、最古の格闘スポーツのひとつです。その歴史は古く、紀元前648年のオリンピックから実施されていました。
当時のオリンピックでは、陸上競技として、円盤投げ、槍投げ、徒競争、そして戦車競走等がありました。しかしながらその中で、最も人気があったのがパンクラチオンだと言われています。
「世界でいちばん強い男を決めよう」というコンセプトの元、レスリングとボクシングを組み合わせ、素手であれば、目突き、噛みつき以外のどんな攻撃でも許されるという過酷なルールが制定されました。勝敗は、相手が負けを認めるまで決しません。
パンクラチオンの勝者は、国・民族の誇りとされ、祖国(故郷)に祭壇や像まで建立されたそうです。
しかしながら、古代オリンピックの終焉と共に、パンクラチオンも廃れていきました。
2004年のオリンピック開催地がギリシャ共和国のアテネに決まったのを機に、ギリシャオリンピック委員会、ギリシャ格闘技界はパンクラチオンを復活させるため、1999年に国際パンクラチオン連盟(IFPA)を設立し世界に呼び掛けました。