レスリングは世界で最古のスポーツです。それを立証するには、エジプト・アラブ共和国を流れるナイル河のほとりにあるベニハッサンの壁画があります。紀元前3000年と推定される古代エジプトの遺跡です。1938年に、アメリカ合衆国ペンシルベニア大学の東洋研究室が、イラク共和国のバクダッド付近の寺院で発掘した鋳銅製のレスリング像も、ほぼ同年代の作品と考えられています。
このことから、レスリング競技が、エジプトからイランを結ぶ中近東で発生したらしいことがわかります。しかし、はっきりスポーツとして記録されているのは、ギリシャに始まった古代オリンピック(前776〜後394)からです。4年に1回ずつ開かれた古代オリンピックは、1170年間にわたって293回も続きました。
古代オリンピックと近代オリンピック(1896年)の間に、一度オリンピックの復活がありました。ギリシャだけの国内競技会で1859年から1889年まで4回開催されました。これを復活のオリンピックと呼んでいます。